Friday, June 28, 2013

ダイバーがやって来た。

月曜にダイバーがやって来た。右舷側のエンジンに多少水漏れがあるため、プロベラとシャフトを取り外すためだ。ところが、その取り外し作業に必要なあるべき道具が船に無い。元々なかったのか、どこかで誰かが失くしたのか、私達が来る以前の事なので知りようが無い。こういう問題が船に来た時から度々あり、その為に整備作業がはかどらない。

別のダイバーが一度その作業をやったらしいが、完全とは言えないので、もう一度お願いしようとしたら、本人はポーランドに行っており、7月中旬までフロリダには戻って来ないとの事。何とか探し出したダイバーがやっと来てくれた。3人組のうちのひとりが2時間近くかけてボートの仕組みを探った後、プロペラを外そうとした。事前に必要な道具無しでも何とかなるかも知れないと言っていたが、残念ながら何ともならなかった。

それならばと、ヤードの機械ショップでプロペラやシャフトを傷つけずに外せる道具を作ってもらう事にして、翌日出直しとなった。しかし、火曜日、水曜日、木曜日と3日間来てくれない。多分、一日で終わる作業と思って別の仕事も入れてあったのか、はたまたその仕事も思ったより時間がかかったのか理由は良く分からない。それでも、今日はやってきてくれた。今回は思いの外、手間取らずにプロペラは外してくれた。それがまぁー、泥まみれで付着物がびっしり。取り敢えず、水道水で泥だけは落としてくれた。

船内から取り掛かっているシャフトの方はなかなか外れず、かれこれ2時間程やっている。オーナーが希望している出発日まで時間は無いが、この機会に左舷側もやってもらった方が良いかも知れない。取り敢えずはひとつずつ。それにしても、こんな濁った水の中でどうやって見るの?と聞いたら、これより視界の利かない水中でも仕事をした事があるよという。でも、大抵手探りで形をなぞるとか。経験が物を言うのですね。脱帽です。












Thursday, June 27, 2013

進歩

洗濯機と乾燥機が使えるようになった。これは結構な進歩です。ボートで洗濯ができるという事は、いちいちランドリーサービスに持っていかなくても済むので安上がり。ただ、今日は洗濯機を2回まわしている途中で、水切れになってしまった。運悪く、デッキのペンキ塗りの最中だったので、すぐには水を補充できなかた。その間、洗濯機からはピーピーと警報器がなり続けた。そのうちにその音は止んだが、その後洗濯機がうまく機能せずにいる。作業員達が帰った後に、ボブにゆっくり見てもらうしかない。








それから、マイクロウェーブも先週から使えるようになった。冷蔵庫の中の物を暖めて食する事ができるのが有り難い。今日は、それを仮設してあったカウンターから、本来設置すべき場所に移動させた。


ぴったりと収まって満足!



Sunday, June 23, 2013

エンジニア求む

しばらく前から、私達ふたりの他に3人目のクルーとしてエンジニアを捜していた。オンラインのクルー・ファインダーを介して何人か応募者があった。その中から車で1時間半程南のフォート・ローダーデールにいるスペイン人の男性に面接に来てもらった。会ってみると感じが良く、今は大型モーターボートのエンジニアとして働いているが、いつもプロジェクト単位での仕事ばかりなので、ひとつの船に落ち着きたいとの希望から応募したとの事。彼が一番興味のあるのがエンジンと言うので、キャビンをさっと見て回った後にエンジンルームやコントロール・パネルをじっくり見せた。エンジンもジェネレーターも過去に整備した事があるメーカーだから馴染みがあるとの事で安心。その上、メタルワーク、ファイバーグラス、バーニッシュの経験もあるらしいので大きな助けになりそうです。

その彼の趣味は彫刻とアートの復元とか。雑談の時に私が日本人だと言うと、日本のどこの出身かと尋ねたので、沖縄の近くの島と答えたら、「あー、そこにはChichu Musiumがあるんだよね?クロード・モネの睡蓮とかあって!」と興奮気味に言う。「Chichu美術館?沖縄に?聞いた事ないなぁ」と首を傾げる私。その後、夕方になってフォート・ローダーデールに戻った彼からeメールが来た。「今日話した地中美術館は沖縄ではなくて、Naoshimaだった」との事。早速、グーグルで検索したら、なる程、香川県の直島にあった。「自然と人間を考える場所」として2004年にオープンしたそうです。それにしても、初対面の人に地中美術館の存在を教えてもらうとは。これだから人との出会いは面白い。

 ベネッセ・アートサイト直島
http://www.benesse-artsite.jp/




Friday, June 21, 2013

パワーアップ!




さて、昨日届いた変圧器2個。ひとつ100キロを超える重さのこれらを左右のエンジンルームに設置する作業が行われた。船の船首と船尾を入れ替えたので船尾側からクレーンで下ろす。クレーンを操作するのはいつもトラベルリフトを操っている男性。船側ではメカニック達とプロジェクト・マネージャーが待ち受けている。最初から所定の位置に下ろすのは無理なので、エンジンの上に仮設の板敷きを作り、そこに下ろしてもらった。その後は見ていないが3人で一所懸命に一段高くなった場所に移動させた模様。これで世界中どこへ行っても発動機が使える。筈。。

船はサイズが大きくなればなるほど、備品が増えて電気をいっぱい喰う。うちの船もパワーのあるバッテリーに取り替えたり数を増やしたりしている。自然、バッテリー用のロッカーは手狭になり、サイズの違う新しいバッテリーを設置するために区切りを取り払って広げる作業が必要になる。その区切りはファイバーグラスでできているのでカットする作業もまた手間がかかり、配線をする電気技師の仕事も増える。こうして、またスケジュールが後ろにずれ込むという流れなのです。


Thursday, June 20, 2013

回れ右

またまた船を動かす事になった。どこの国でも電源コードが使えるようにと注文してあった変圧器が届いたので、それを運び入れる事になったからだが、船尾のエンジンルームに入れるには重過ぎてクレーンの手助け無しでは無理。その為、前向きになっていた船を後ろ向きにする必要があり、一旦ドックを離れてから回れ右をして船尾から横付け。船の上で作業中の人達にも一旦手を休めてもらい手伝ってもらった。77フィートもあると人手が必要です。







すぐ脇がトラベルリフトの作業ドックだから、結構動きがある。100フィートくらいの大きなパワーボートが上架待ちで待機している。



そのボートにあったサテライトのドームを先にクレーンで下ろしていた。こんなに大きい。これならインターネットの速度も随分と早いかも。



Wednesday, June 19, 2013

最近の食事事情

こちらフロリダに来て3週間が過ぎた。船は新しくて大きいので快適である。ただし、今だに仮住まい状態なので、冷蔵庫はあっても料理は出来ない、シャワーが浴びれない、そしてトイレも使えない。シャワーとトイレはボートヤード兼マリーナにあるのでその施設を使えば良いが、料理だけは無理。 お湯さえも沸かせない。幸いボブがそれが無ければ一日が始まらないコーヒーだけはコーメーメーカーで作る事ができる。

そんな訳で外食や出来合いの物を買って来て食べる生活が続いている。スーパーは車で5分程走ればPublixというチェーン店があり、10分走った別の場所にはThe Fresh Marketという質の高い食料品を扱っているお店があるので、専らその2つを利用している。スーパーで新鮮な食材を目にするにつけ、ガスが使えたらなぁと思う。5月にニューヨークの日系スーパーで買ったお味噌を持って来ているが、今はお味噌汁ひとつ作れないのが不便です。















Tuesday, June 18, 2013

取り敢えずコンテナへ

船の中はまだしっちゃかめっちゃか。ヨットに不可欠な帆もまだ届いていないので、海に出るまではもう少し時間がかかりそうです。これから窓にシェードを取り付けたり、収納庫を作り足したり、もちろん船内掃除もしなければならないので、取り敢えず必要の無いものをミニコンテナにしまう事になった。月極のコンテナをボートヤードに持ってきてもらい船から移動。

プロジェクト・マネージャーは最初はコンテナを船から近い場所に設置して構わないと言っていたのに、いざ着手という時になってトラベルリフトの通り道になるからとあっちこっちに移動させられた。結局、船からは一番遠い奥まった場所に落ち着く羽目に。

救命具、クッション、枕やシーツ、浮き輪、アイスメーカー、カヤック、手動式トイレット等諸々を何往復かして移動させた。カートだけでは間に合わないので、ヤードのミニトラックも借りて大型クッション等を運んだ。熱い太陽の下での作業は結構大変。こちらへ来たばかりの頃の雨が少し懐かしいくらいです。このミニコンテナはワンマンで動かしていたけど、その頼りになる助手はホンダの発動機でした。さすがHONDA!



















Saturday, June 15, 2013

船のデリバリー

船のオーナーは、私達が乗る船とは別に63フィートのカタマラン船も同時に購入してあった。その船も同じボートヤードのドックに係留されていたが、売りに出している為、外装を整える必要がある。今いるヤードでは、カタマラン船は幅が広過ぎてトラベルリフトで陸揚げする事ができないので、別のボートヤードに移動させると言う。ブローカーである友人に頼まれて、一緒にその船をデリバリーする事になった。

ところが、出発直前からエンジントラブルに見舞われて出発が大幅に遅れた。原因は給水タンクを満たした際、ウォーター・メーカーに繋がる筈のホースがちゃんと繋がっておらず、燃料タンクの上に溜まってしまい、そのタンクのネジ止めの箇所がしっかりと防水されていなかったせいである。その為、水が燃料タンクに漏れてしまったという訳である。9時半出発予定が、結局1時過ぎになってしまった。出発後も船が動いた事で、また水がどこからともなく漏れてきて、3回程エンジンルームで何やかややっていたボブと友人はすっかり疲れてしまった。

幸運だったのは、天気が良く海も凪で機走には持ってこいだった事である。この船も私達の船と同じく、艤装や内装が出来上がっておらず海に出られる状態ではない。帆は注文してあるが、まだ届いておらず、エンジン頼みだったからヒヤヒヤしながらのデリバリーになった。途中、イルカ、セールフィッシュ、亀と遭遇しながら26時間後に同じフロリダのセント・オーガスティーンという、車なら3時間で行ける街に到着した。

内陸路に入った後に、30分に一度しか開かない橋がタイミング良く開き、待たずにすんだので助かった。そこからさらに20分程走った場所のマリンセンターに横付けした。ここもやはり泥水で決して綺麗とは言えない。それでも、一昼夜走った後は無事にドッキングできただけで大満足。

















Thursday, June 13, 2013

30メートルばかり移動

ここヒンクリー・ボートヤードでは頻繁に浚渫(しゅんせつ)を行っている。さらわれた土砂は浚渫船に積まれてどこへやら運ばれて行く。潮の干満があるので、干潮時には船がもろに泥の上に座っている風で全く揺れない。私達の船が係留されている場所も浚渫する必要があり、既にさらわれた目と鼻の先のドックに移動する事になった。2週間半前に私達が到着する以前から2ヶ月半も同じ場所に停泊していたので、30メートルとは言え、船を動かす事はちょっとしたイベントだ。ボブは初めて77フィートという大きなカタマラン船を操縦するので、緊張の中にもエキサイティングらしく嬉々としてやっている。ボートヤードの人達の手も借りて、T字型のドックからトラベル・リフト用のドックのすぐ隣に無事に移動した。このドックだと船の全容もカメラに収められます。











Monday, June 10, 2013

フォート・ローダーデールへ

今の仕事を紹介してくれたのは知人だったが、最初は共通の友人であるピーター&デビーにオファーがあった。とこれが彼らは契約上、今乗っているチャーター船をすぐには下りられない。そこでその間の繋ぎとして3、4ヶ月程私達にやってもらえないかとの話しだった。先週からそのピーターが船に来ていた。彼としても自分が仕事をする事になるかも知れない船を見ておきたかったし、オーナーにも会いたいと思っての事だった。残念ながら、オーナーは仕事の都合でこちらに来る事ができず会う事ができなかった。

昨日はピーターがセント・トーマス島に帰る日だったので、1時間半程南にあるフォート・ローダーデールまで車で送っていった。無事に彼を見送った後にイタリアレストランでランチ。その後、ウェストマリンという大きなマリンショップで部品を買ったり、この先必要になる商品の下調べをしたりと、フォート・ローダーデールでかなりの時間を過ごした。やはりフロリダ。長く続くビーチには日曜日と言う事もあって人出があった。

私達はフロリダに来て以来、殆ど船に缶詰だったので、こうやって船以外で時間を過ごすのは気分転換になって良い。これでまたリフレッシュして、まだまだ雑然としている船に戻れます。ピーターは、まだ内装が終わっていないクルーキャビンをチェック。このようにハッチからの出入りはデビーの気に入らないだろうなぁと言っていた。私も同感!








Saturday, June 8, 2013

ハッキリしない天候と遅れる作業

フロリダに来てから2週間が過ぎようとしている。その間に晴れたのは一日くらい。太陽が出た!と喜んでいても1、2時間後には雨雲が出て来てきて雨がポツリポツリという日ばっかりです。船を係留しているドック回りの水も黒っぽく濁っていて、カリブのブルーの海が恋しい。船もなかなか整備が終わりません。そんな中、ANDREAというストームが発生したりして、遅れている作業がさらに遅れている状態です。ハリケーン発生率が高い南に向かうのは時期的に遅くなりそうなので、もうボートヤードに2ヶ月程いるなり北に行くなり、なるようにしかならないと心を決め始めています。

予定より遅れているのは、天候のせいもあるけど、作業を受け持っている人達はうちの船以外にも同時進行の他の船の仕事があるのに加え、オーナーの要望が新たに加わり、その為に途中までやっていた作業を始めから見直したりする為に、その都度進行が遅れるという状況のようです。オーナーは自分の船を持つのは始めてなので、いろいろな要望があり、簡単にできるだろうと思って変更したり付け加えたりする事が、実際に作業をする玄人から見れば実に厄介な注文だったりという感じなのです。オーナーの言い分も分かるけれど、働いている人達が安全のためにしっかりした仕事をしたいという気持も良くわかり、現時点ではオーナーの期日設定には無理があると思うのです。そんな事からプロジェクト・マネージャーや各部署の担当者と何回目かのミーティングとなる訳です。




Wednesday, June 5, 2013

ワインを開けてくれませんか?

水路向こうのボートヤードに愛艇に似た船が上架されており気になっていた。その船がリフトから下ろされて進水したばかりらしく浮いていた。下ろされた時は後ろ向きだったためか、私が気づいた時は方向転換の最中だった。船首に繋いだドックラインを陸にいる男性が引っ張ってその手助けをしていた。このタイプの船はフルキールなのでバックするのが難しいけれど、キャプテンはエンジンを小刻みのフルパワーにし、狭い場所で上手に船首を進行方向に向けた。そしてそのまま姿を消したので、残念ながら話すチャンスが無かったなぁと思っていた。そうしたら、それはテストランだったらしく、1、2時間後にドックに係留されていた。

私達が今滞在している船は、まだまだドックを離れられる状態ではないので、料理用のプロパンガスも繋がっていない。従って、オーナーや家族の好みで選ばれるであろう鍋や食器類も何もない。あるのは最低限のナイフやフォーク類とプラスチックのカップとお皿という具合。愛艇を離れる時に、ワインオープナーを持って行った方が良いかなぁとふと思ったが、それくらいはもちろんあるだろうと思い持参しなかった。ところが無かった。。室内のクーラーはしっかり効いているので、夕食時には冷たい飲み物よりも赤ワインを飲みたいと思い2本買ってきたけど、それが開けられない。

そこで、ボブが「ワインオープナーを持っていないクルーザーなんていないだろう」と言って、ドックにいる例の船にワインを持って行き開けてもらう事にした。しばらくして帰ってきて言うには、彼らの船も私達と同じBABAで長さは40フィートだとの事。とても良い人達だったからちょっと話してきたと嬉しそうに言う。お陰さまで助かりました。また、どこかで会えるといいなぁ。


Tuesday, June 4, 2013

フロリダの友

今回の新しい仕事を引き受け、バージン諸島からこちらフロリダに向かおうとしていた時、フロリダに住む友人から久しぶりのEメールが入った。彼の友達が近くバージン諸島に向けて航海する予定だけど、私達はまだそこにいるのか、もしそうなら良い行き先を教えてあげてもらえないかとの内容。実はかくかくしかじかで数日内にフロリダに向かうと返信したら、是非会いたいと言う。

私達ももちろん到着してひと息ついたら連絡をするつもりでいた。随分前にリタイアした夫婦で時間はあるから、いつ会えると何度もメールをくれる。でも、こちらは新しい船のオーナーと会い、状況などを確認してからでないと予定は立てられない状態。結局、到着した6日後の土曜日にランチを一緒にする事になった。彼らはSarasotaという場所から3時間程かけて私達がいるStuartまでドライブしてきた。

彼らがYelpという口コミサイトで調べてくれたレストランに行くことにした。そのKing Neptuneというこじんまりとしたシーフードレストランは大当たり。私が頼んだロブスターロールは身が惜しげも無く山盛りにされ、コールスローもあまりマヨネーズが入っていないヘルシーな味。1ドル余分に払って普通のポテトから変えてもらったスィートポテトも美味しくて満足でした。その前にボブとシェアーしたシーフードのビスクもベリーグッド!ボブは帆立のサラダ、ジョーンはクラブケーキ、そしてリチャードはグルーパーのバーガーとそれぞれが好みの物を注文。リチャードはコンク貝のチャウダーも頼んでました。

リチャードはボブと一緒にうちの愛艇で何度もセーリングしている大の船好き。そもそも彼と出会ったのが、お互いニューヨークに住んでいた時に天測航法のクラスを取ったのが縁です。最初のクラスが終わったら夜、外は大雨。傘無しで困っていた彼を家まで送ってあげたら、後日家に招いてくれ夕食をご馳走になって以来の付き合いになるからもう随分長い。彼らは仕事の関係で日本に何年か駐在していた事があるので話しも会う。そうそうは会えないけれど良き友だ。今日は遠い所からありがとう。