Thursday, December 2, 2010

蘇鉄(そてつ)



カリブ海ではそれ程みかけない蘇鉄だけど、ここ沖永良部島にはあちこちに自生している。若葉はぜんまいの形をして柔らかいけれど、育つと針葉樹の先がまさに針のようになり皮膚に当たるとちょっと痛い。台風にも強い植物なので、その昔は飢饉に備えて植える事も多かったという。遊歩道になっている「ソテツジャングル」の入り口の案内板にもそう書いてある。( ↓ )

ソテツジャングルの案内板


母校の和泊小学校にある二宮尊徳さんの隣にもソテツが。

観賞用に人気があるソテツだけど、昔は枯れ枝は焚きつけに使われた。
春には中央に見事な赤い蘇鉄の実が生る。
蘇鉄の実で思い起こすのは、幼いころ祖母が作ってくれた蘇鉄の実入りお粥、ヤンボケー。赤い実は、じつは皮でその中に白い実が入っている。それを皮ごと切って乾燥させ、取りだした実を砕いて少しの白米と一緒にごとごとと長時間煮て作ったお粥。しょっちゅう食べた思い出はないけれど、忘れられない味。母は同じように乾燥させた蘇鉄の実の麹に大豆と塩を加えて味噌を作っていた。今は懐かしい思い出。今思えば誰もが貧しかったけれど、それを感じさせない心の豊かさや気持ちのゆとりがあったような気がする。ささやかな事に感謝できるのはその時代を生きたお陰だと感謝の念が湧き謙虚になれる。

友人宅にある樹齢何百年かの蘇鉄。さすが生きた化石!


2 comments:

  1. 何かの歌の歌詞に蘇鉄が入っていたなあと。田端義夫”島育ち”ウーッ、年齢がわかってしまう ^0^;

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  2. ♪赤い蘇鉄の実の熟れる頃、加那も年頃、加那も年頃、大島育ち♪奄美の人達に取っては特別な思い入れのあるいい歌です。

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