Monday, March 31, 2014

仕事を再開

カンサス州から戻った4日後からまたセーリングスクールが始まった。カタマラン船でカップルひと組と聞いていたが、クラス開始直前になってもうひとり男性が参加する事になった。本人はモノハル(単胴船)に申し込んでいたが、スクール側のミスでオーバーブッキングをしており、急遽こちらのクラスに参加となったのだ。本人はアップグレードだと喜んだので問題無し。生徒2人より3人の方が操船をするのに断然良いので私達もハッピー。

その彼は気の毒な事に、ひと月半前に11年間ガンと闘っていた奥さんを亡くしたばかりだとの事。気持の区切りをつけるたみに参加したようだ。自身は小さなセールボートを持っており、専ら湖でセーリングをしているとの事。カップルの方はカナダ人。男性はケベック出身で、女性はお母さんがベトナム人で長くフランスでも暮らており、二人とも英語とフランス語が流暢。そして彼らも友人達とやはり湖のセーリングに何度か行っており、全くの初心者という訳ではなかった。

3人ともとても人柄が良く、人間関係でのストレスを感じる事が無く、とてもリラックスした一週間になった。ただし、例のごとく船のトラブルには見舞われた。アンカーとウィンドラスが古く、自動的に上げ下ろしする際にかなりぶれる上に、ちゃんと食い込んでくれない。危険だと思ったので、初日からずっと料金を払ってモアリングブイに係留した。また、最後の方は片側のエンジンも故障してしまい、馬力がないので、いつもなら機走で離れるブイもセールの助けを借りて移動。込んでいるエリアなので結構神経を使いました。

それでも天気が素晴らしく、ほぼ申し分のない週でした。

















Friday, March 21, 2014

大草原を走る

約1週間のカンサスへの帰省を終えてカリブに戻ってきた。船を置いてあるセントルシア島からアトランタへの直行便は5時間かかり、アトランタからカンサスシティへは2時間の飛行時間。そこからボブの実家までは車で4時間かかる。一日では無理なので、行きも帰りも飛行場の近くで一泊した。

カンサスシティはカンサス州とミズーリ州にまたがっており、名前に反してミズーリ州側が人口も多く開けていて、飛行場もミズーリ州にある。飛行場を離れた後は、走っても走っても同じような光景が続く。こんな時にアメリカは広いなぁと思う。まだ冬枯れの景色が多い中、思ったよりも寒くなかったので助かった。

ボブのお父さんは自宅療養で何とか頑張っている。80才を過ぎて車を運転し、お父さんをあっちこっちの病院へ連れて行き看護に頑張るお母さんにはただ驚くばかり。日本と違い、びっくりする程高額の入院費を払わなければ病院には居させてもらえない。人命よりも保険会社を守るアメリカの医療システムは、やはり病んでいると思う。TPPなんて締結されようものなら、医療システムを含む様々な分野で日本の良さを壊すだけ。去年、帰国して入院した母に付き添った時は大変だと思ったが、今回アメリカの事情を見知って、日本はまだまだ人に優しいと思った。











Wednesday, March 12, 2014

カンサスへ

セーリングスクールは1週間休みの後にまた仕事が入っていたが、最近、身体の具合があまり良く無く、入退院を繰り返しているボブの父親を見舞いに、急遽、5年ぶりにカンサス州に帰る事にした。1週間ではカリブからの往復はきついので、別のインストラクターと交替して2週間の休みをもらった。

仕事の後いつも身体を休めるベクイ島を夕方4時に出発して14時間かけてセントルシアには朝の6時頃に到着した。幸いに天候がとても穏やかで、月と星が空に光、眠いながらも快適な航海になった。到着後、仮眠を取ってから船を置いて行くマリーナや入管で諸々の手続きをして留守中の準備。

今朝は11時半にマリーナを出発して1時間半かけて国際空港へやってきた。カリブの島々を訪れる時に利用している空港は20分もあれば到着するのに、島の北端から南端までなのでそれなりに時間がかかった。でも、途中の眺めは素晴らしかった。今は空港で出発までの時間待ち。久しぶりにカンサスの家族に会うのが楽しみです。

Monday, March 10, 2014

またも。。。

3週目のセーリングクラスも何とか終わった。前週の行動力に欠けた夫婦に比べて、やる気満々のように見えた5人との初対面は中々良い感じだった。カップル2組に女性ひとりの5人組だから、部屋割りも4つのキャビンで対応できる、そう思っていた。ところが、若い方のカップルが夫婦でも恋人でもないと言う。

ふたりは香港出身で、女性は小さい頃にカナダへ移住し、現在はサンフランシスコ在住の中国人。男性は同じくサンフランシスコに住んでいるインド系。あるサークルの友人同士だと言う。ここからちょっと計算が狂った。部屋がひとつ足りないのだ。結局、彼の方がトランポリンかサロンまたはコックピットに寝るという事になった。でも、寒いのか寝心地が悪いのか、どんな話し合いをしたのか、最初の夜から女性と同じ部屋に寝たようだ。

この恋人がいるという男性と旦那さんがいる女性の行動がちょっとした頭痛。夜は3食は外食という決まりだが、この中国人の女性は最初の夜こそ外での食事を共にしたものの(食事が来るまでにずっと居眠りをしていた)、その後はまるでビタ一文も使いたくないと言いたげに、自分達の食事だけはサッサと作って船から出ない。他の3人は料理をしない(できない)から何食でも外食でOK、とまるでまとまりが無い。こういうのって困るんですよ。こういう事もコースの一部なので、生徒が積極的にやらないと、、自称インストラクター・アシスタントの私は時間があるし、日本人なので、どうしても食事作りや皿洗いをしてしまう。

さらにこの女性、1週間前に内科の手術を受けたとかで、体力を要する事をやりたがらないし、ボブが説明している途中でも色々と理由をつけて自室に籠ることしばしば。本は読んできたからとレクチャー中でもお構いなし。おまけに経験もないくせに自信過剰で手出しをするので何度かヒヤッとさせられた。対照的にインド人は優しい男性だが、何故か中国女性の尻に引かれてドジっぷを発揮する。もうひとりの独身女性もプリマドンナ風で、食事作りや皿洗いなど何もしない。唯一まともなのは50才前後の夫婦のみ。あー、辛抱強く思いやりのあるこの二人がいてくれて良かった!

終わってみれば、先週以上に疲れた週だった。ちょっと休憩が必要です。という訳で今週はクラスはお休みです。










Sunday, March 2, 2014

ちょっと変わったカップル

2週目のセーリングクラスが終わった。今回は50代くらいの夫婦ひと組のみ。ふたりはロースクールで出会ったという。10人の弁護士を使っているという旦那さんは多少セーリングの経験があり、ずっと本格的にヨットをやりたいと思っていたらしい。このクラスに参加する2ヶ月程前に37フィートの船も購入済みだとの事。それは良いが、昔フットボールをやっていた彼は190センチ以上で125キロと大柄。膝の手術をしたばかりで動きも危うい。ずっと座りっぱなしの仕事の上に甘いもの大好きらしく健康体は言い難い。

対する奥さんはその逆でスリム過ぎ。太るのが恐いので食べ物の選択にも慎重。そして1週間の間、全く料理をしなかった。その上、皿洗いもしない。これにはビックリです。一度、食べ終わった後に、自分の皿を持って立ち上がったので、「お!今度は洗ってくれるのか?」と思ったら、「デニス(旦那さん)が皿を洗うから、私は手伝う」とのたまった。何を手伝うのか?そのデニスは大食感なので動きも鈍い。まぁ、こんな調子だから大抵彼らが立ち上がる前に、自分でささっとやった。朝と昼飯は全食作って差し上げました。でも、その代わりに外食は全部彼らが支払ってくれた。自炊の時も魚売りが来たらその代金も払ってくれた。ボブだけならともかく私が一緒に参加したクラスでこれは初めての経験です。

旦那さんは少なくとも2回目の結婚で、先の結婚では双子の女の子がいる。そして今の奥さんとの間にも男と女がひとりずつ。皆、成人していて今はふたり暮らしだが、4人の子供達の事で悩みが多いらしく、奥さんはあまり晴れ晴れとした笑顔が無い。旦那さんの夢に付き合っての参加だから、我が儘も出てしまい、テストで良い点数が取れなかった時に、「デニスは2ヶ月あったけど、私は2週間しか勉強する事が出来なかった。このテストの結果にはハッピーでな無い!」と叫ぶように言った。ボブが「80点以上でパスできたから良いんじゃない?」と言っても、すねて自分達のキャビンに引きこもってしまった。まるで子供では無いか!夕食に出かける時間なのに困った3人。が、40分程してまるで何事も無かったかのようにキャビンから出てきた。こちらも何事も無かったように対応。

出かけたレストランでは、ピアノ弾き語りのミュージシャンがアメリカのオールドヒットソングを歌いまくった。それに合わせて最初から旦那さんを誘って踊りまくった彼女。好きな分野での弁護士にはなれなかったので監査の仕事をしていると言っていたが、普段よっぽどストレスがあるのかな?気分にムラのある彼女に何度か憂鬱な気持にさせられた週が昨日で終わってホッとしている。さぁ、もう1週頑張ろう。今度は多くを望みません。どうか普通の人達でありますように。






Sunday, February 23, 2014

いろいろあった一週間

セントトーマス島でのチャーターを終えてセントビンセント島に戻った後は、すぐ隣のベクイ島で4日程いつものようにリラックしした。その後3週間入っているセーリングスクールの最初の週が昨日で終わったばかり。今回はカップルひと組と独身の男女がひとりずつの4人の生徒。カナダ、オーストラリア、アメリカからの生徒達だ。特に難しい人も無く和やかなグループだった。

しかし、最初からトラブル続き。まずは、最初の宿泊地であるベクイ島で錨を下ろしていたら途中でチェーンが絡まってしまい、電動のスイッチが止まってしまった。ブレーカーが落ちてしまったのだ。そしてそのブレーカーがどこにあるかわからず、からまったチェーンを叩いたりひっぱたりして解いたあとに手動でのアンカリング。その後、夕食に出かけようとしたらディンギーのモーターが動かない。どうやっても動かないので、仕方なく水上タクシーのお世話になった。翌朝、スクールに電話をして当地のメカニックを紹介してもらい、何とか修理してもらった。おかげで出発が3、4時間遅れてしまった。

2日目は何もトラブルが無く順調。その翌日の夜中の12時半過ぎにカツンという物音がした。何だ?と飛び起きてデッキに出たら、何と別の船と接触していた。一瞬、その単胴船がうちのカタマラン船に当たったのかと思った(いつも念を入れてアンカリングしているので)が、錨が流されたのはこちらだった。すぐにエンジンのキーを入れ、フェンダーを吊るし、錨の引き上げにかかった。が、これがスムーズに行かない。うちのアンカーが接触した船のアンカーチェーンを引きずってしまい、なかなか離れられない。そして何とかアンカーを引き上げたその頭には大きな石がくっ付いていた。これがまた簡単に落とせない。ボートフックで何度か突いたらやっと落ちてくれた。翌朝、その船のダメージをチェックしながら謝りに行った。幸いにもゆるやかに当たったお陰でダメージは無く、相手方とは夕方バーで話しをしていたので気にしないでと言ってくれ助かった。

実はこの船、別のインストラクターもやはりアンカーを流され、その時には後ろに錨を下ろしていていた高級ヨットに当たってしまい、その場で示談金(?)をいくらか払ったと聞いていた。その話しをしてくれたスクールのオーナーの息子からアンカーが少し歪んでいるとは聞いていたが、その後で直してあるものと思っていたのがそうでは無かったのだ。その夜以降は念の為に 2本目のアンカーも打って眠りについた。

ある日はセーリング中にガタン!という音がしたのでチェックしてみると、ひとつめの縮帆用のロープが切れていた。幸いに強風は予想されなかったので、その後はフルセールで通した。今回は他の船のトラブルも目撃した。先に錨を下ろした船のチェーンが長過ぎ、そうとは知らずにその前のスペースに錨を下ろした船が、先の船が錨を上げた時に、アンカー同士が絡まってしまい、接触しそうになりながら珊瑚礁の方に流されて行く。ハラハラしながら見ていたら、地元のボートボーイ達が数隻で手助けをして難を逃れていた。

その翌日、別の島の島影で操船の練習をしている時、セールボートが珊瑚礁の浅瀬を示す赤いマークの内側に入ってしまった。本来ならそのマークの外側を航行しなければならないのに、 チャンネルマークと間違えたのか、赤いマークを右手に湾内に入ろうとしたのだ。案の定、1、2分後、船体がガクンとつんのめり座礁しかけた。そのまま航行したから当たっただけかと思っていたら、その船はUターンしてしまい、今度は本格的に座礁してしまった。船が変則的に揺れている。すると、ここでもどこからともなくまた現地の漁師達が飛んで来て助けてくれ、何とか湾内に落ち着いた。本当、有り難きはシーマン・シップです。

私達の最後の夜はまたベクイ島。その前日の夜、夕食後の食器洗い中にタンクの水が尽きてしまった。残りの水を示すゲージはずっと壊れていて当てにならずにいた。残っていたボトル入りの水で急場をしのぎ、翌日ベクイで給水する事に。運良く錨を下ろしたすぐ後に、給水ボートを見つけたので合図を送って来てもらった。これで今夜のシャワーと帰るまでの食器洗いも十分に確保できたと喜んだ。ところが、この水が蛇口から出てこない。時間をかけてチェックした結果、電動パンプが壊れている事が判明。毎回違う船に乗るので自分達の船と違ってメンテナンスの状況も今ひとつ把握できない。仕方ないので皆にはシャワーを我慢してもらった。

そのせいでは無いだろうが、カナダのカップルと22才の若いオーストラリア女性からはチップがゼロ。アメリカ人の医者の卵は普通に心付けをくれた。オーストラリア人の女性は7週間バックパックで旅行中だと聞いていたので、当てにはしていなかったが、パイロットと弁護士のカナダ人のケチさには正直びっくりした。弁護士だからスクールからの案内もじっくり読んだ筈。そこにはインストラクターへのチップの事も書かれているんですがねぇ。カナダ人とフランス人はあまりチップをくれないとは良く聞いていたが、これまではあまりそういう人に出会った事がなかった。6泊のスクール中に夕食のメニューは3食分しか準備しないので3食は外食ですよ、といつも言っているが、考えてみればこのカップルは船で食事をしたがった。スクールに参加する前にベクイ島でしばらく滞在して外食し飽きたと言うのを言葉通りに受け取っていたが、今から考えれば単なるケチだったのだ。

このチップというシステムは嫌いですね。日本でもニューヨークでもウェイトレスの経験がある。チップに関係なく良いサービスをしたいと思っても、人間だからこのチップの額で人を判断してしまいがちになるのだ。良い人達だと思っていてもチップをくれないと悪い人に変わってしまうのだ!まぁ、今回はいろいろありました。今日からの7日間はカップルがひと組らしい。どうぞスムーズに行きますように。




Sunday, February 16, 2014

偶然その2

去年の9月以降は、セントビンセント&グレナディーンズ国でのセーリングインストラクターの仕事が多い。先日のバージン諸島、セントトーマス島での仕事はちょっとイレギュラーな形。それなのにこちらのセーリングスクールで教えた過去の生徒達2グループから連絡をもらった。それぞれが、バージン諸島で船を借りてセーリングをするが、もしかしてその辺りにバージン諸島に来る事は無いのかとの事。こんな偶然はそうそうありません。

今回こちらはお客様を伴ってのチャーターの為、私達だけで行く先や時間を決めるという事はしづらく、短い滞在で皆に会うのは無理かと思ったが、何日にはどこそこにいる予定とメールしたら、その2組はちゃんとそこで待っていてくれた。到着後、自分達のゲストには夕食前のアルコールとおつまみの準備をして出し、その後でそれぞれの船に寄って再会を喜び合った。

そのうちの年齢が若い方のグループとは夕食後に船上バーで会う事にした。このグループ、夫婦二組のうち一組は、一年前のセーリングクラスの時にプロポーズをしたカップル。その後の新婚生活も順調なようで、旦那様がずっと飲まずに取っておいたというシャンペンで皆で乾杯!



その後、自分達の船に取って返し、夕食を食べさせた後、8時頃からディンギーで約束のバーへ行き、思いっきり語り合いました。ボブに取って、教え子達が実際にこうやって自分達でチャーターをしてセーリングを楽しんでいるのを見る事、はとても嬉しい事のようだ。