Sunday, February 23, 2014

いろいろあった一週間

セントトーマス島でのチャーターを終えてセントビンセント島に戻った後は、すぐ隣のベクイ島で4日程いつものようにリラックしした。その後3週間入っているセーリングスクールの最初の週が昨日で終わったばかり。今回はカップルひと組と独身の男女がひとりずつの4人の生徒。カナダ、オーストラリア、アメリカからの生徒達だ。特に難しい人も無く和やかなグループだった。

しかし、最初からトラブル続き。まずは、最初の宿泊地であるベクイ島で錨を下ろしていたら途中でチェーンが絡まってしまい、電動のスイッチが止まってしまった。ブレーカーが落ちてしまったのだ。そしてそのブレーカーがどこにあるかわからず、からまったチェーンを叩いたりひっぱたりして解いたあとに手動でのアンカリング。その後、夕食に出かけようとしたらディンギーのモーターが動かない。どうやっても動かないので、仕方なく水上タクシーのお世話になった。翌朝、スクールに電話をして当地のメカニックを紹介してもらい、何とか修理してもらった。おかげで出発が3、4時間遅れてしまった。

2日目は何もトラブルが無く順調。その翌日の夜中の12時半過ぎにカツンという物音がした。何だ?と飛び起きてデッキに出たら、何と別の船と接触していた。一瞬、その単胴船がうちのカタマラン船に当たったのかと思った(いつも念を入れてアンカリングしているので)が、錨が流されたのはこちらだった。すぐにエンジンのキーを入れ、フェンダーを吊るし、錨の引き上げにかかった。が、これがスムーズに行かない。うちのアンカーが接触した船のアンカーチェーンを引きずってしまい、なかなか離れられない。そして何とかアンカーを引き上げたその頭には大きな石がくっ付いていた。これがまた簡単に落とせない。ボートフックで何度か突いたらやっと落ちてくれた。翌朝、その船のダメージをチェックしながら謝りに行った。幸いにもゆるやかに当たったお陰でダメージは無く、相手方とは夕方バーで話しをしていたので気にしないでと言ってくれ助かった。

実はこの船、別のインストラクターもやはりアンカーを流され、その時には後ろに錨を下ろしていていた高級ヨットに当たってしまい、その場で示談金(?)をいくらか払ったと聞いていた。その話しをしてくれたスクールのオーナーの息子からアンカーが少し歪んでいるとは聞いていたが、その後で直してあるものと思っていたのがそうでは無かったのだ。その夜以降は念の為に 2本目のアンカーも打って眠りについた。

ある日はセーリング中にガタン!という音がしたのでチェックしてみると、ひとつめの縮帆用のロープが切れていた。幸いに強風は予想されなかったので、その後はフルセールで通した。今回は他の船のトラブルも目撃した。先に錨を下ろした船のチェーンが長過ぎ、そうとは知らずにその前のスペースに錨を下ろした船が、先の船が錨を上げた時に、アンカー同士が絡まってしまい、接触しそうになりながら珊瑚礁の方に流されて行く。ハラハラしながら見ていたら、地元のボートボーイ達が数隻で手助けをして難を逃れていた。

その翌日、別の島の島影で操船の練習をしている時、セールボートが珊瑚礁の浅瀬を示す赤いマークの内側に入ってしまった。本来ならそのマークの外側を航行しなければならないのに、 チャンネルマークと間違えたのか、赤いマークを右手に湾内に入ろうとしたのだ。案の定、1、2分後、船体がガクンとつんのめり座礁しかけた。そのまま航行したから当たっただけかと思っていたら、その船はUターンしてしまい、今度は本格的に座礁してしまった。船が変則的に揺れている。すると、ここでもどこからともなくまた現地の漁師達が飛んで来て助けてくれ、何とか湾内に落ち着いた。本当、有り難きはシーマン・シップです。

私達の最後の夜はまたベクイ島。その前日の夜、夕食後の食器洗い中にタンクの水が尽きてしまった。残りの水を示すゲージはずっと壊れていて当てにならずにいた。残っていたボトル入りの水で急場をしのぎ、翌日ベクイで給水する事に。運良く錨を下ろしたすぐ後に、給水ボートを見つけたので合図を送って来てもらった。これで今夜のシャワーと帰るまでの食器洗いも十分に確保できたと喜んだ。ところが、この水が蛇口から出てこない。時間をかけてチェックした結果、電動パンプが壊れている事が判明。毎回違う船に乗るので自分達の船と違ってメンテナンスの状況も今ひとつ把握できない。仕方ないので皆にはシャワーを我慢してもらった。

そのせいでは無いだろうが、カナダのカップルと22才の若いオーストラリア女性からはチップがゼロ。アメリカ人の医者の卵は普通に心付けをくれた。オーストラリア人の女性は7週間バックパックで旅行中だと聞いていたので、当てにはしていなかったが、パイロットと弁護士のカナダ人のケチさには正直びっくりした。弁護士だからスクールからの案内もじっくり読んだ筈。そこにはインストラクターへのチップの事も書かれているんですがねぇ。カナダ人とフランス人はあまりチップをくれないとは良く聞いていたが、これまではあまりそういう人に出会った事がなかった。6泊のスクール中に夕食のメニューは3食分しか準備しないので3食は外食ですよ、といつも言っているが、考えてみればこのカップルは船で食事をしたがった。スクールに参加する前にベクイ島でしばらく滞在して外食し飽きたと言うのを言葉通りに受け取っていたが、今から考えれば単なるケチだったのだ。

このチップというシステムは嫌いですね。日本でもニューヨークでもウェイトレスの経験がある。チップに関係なく良いサービスをしたいと思っても、人間だからこのチップの額で人を判断してしまいがちになるのだ。良い人達だと思っていてもチップをくれないと悪い人に変わってしまうのだ!まぁ、今回はいろいろありました。今日からの7日間はカップルがひと組らしい。どうぞスムーズに行きますように。




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