Sunday, February 16, 2014

偶然その1

去年の6月から3ヶ月近く短期で仕事をした時のエンジニアとは、たまに連絡を取り合っている。その時一緒に乗っていた船は比較的新しいながらもかなりの問題を抱えていたため、私達は期日がきても延長する事なく船を下りた。バルセロナ出身のジョキムは就労ビザの事もあり、そうそう簡単には仕事を変えられない状況なのでそのまま留まっている。幸い南太平洋で別の船のクルーとして働いていたガールフレンドが、お互いに離れている事に耐えられなくなり、私達が去った後に彼にジョインした事で、まだもう少し頑張れるようだ。

フロリダからセントトーマス島に来る予定だという話しは聞いていたが、あの船の状態で果たしてそれが出来るだろうかと疑っていた。それが彼の知り合いである同じバルセロナ出身のキャプテンとそのガールフレンドの4人で何とか船を持ってきたらしい。フロリダでは手頃な料金で、77フィートという大きさの船を陸揚げできるボートヤードが無く、セントトーマス島にあるドライドックという海に浮かんでいるドックで修理をするために予定の日数をオーバーして到着したらしい。オーナー家族はクリスマス休暇をバージン諸島で過ごすべく先に到着していたのに、船が到着せずホテルでやきもきしながら待っていたらしい。

今回の再会は偶然にも私達が1週間程、セントトーマス島出発のチャーターをする事になったため急に会う事が叶った次第。オーナー家族もとっくに帰り、時間の自由がきく状態で久しぶりに会う事ができたジョキムは、相変わらずあっちこっちに傷を作っていたが、ガールフレンドと一緒で精神的に落ち着いたのか少しふっくらとしていた。心根の優しい彼らと再会し、積もる話しができた事は嬉しかった。また彼らが船の修理中に滞在しているホテルアパートが私達が泊まったのと同じ所だという偶然に笑ってしまった。それにしても、もう見る事は無いだろうと思っていたあの船をまた遠くからでも目にするとは、人生分からないものである。私達が時々行くヤンマーの代理店の前から久しぶりにその船の写真を撮った。



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